白バイ隊員の卓越した運転技術
私たちが日常的に目にしていることも、実は驚くべきことというのはよくあることだ。
私たちがそれを見て自然なこととあまり気に留めないのは、単に見慣れているからだ。
よくよく考えると「とんでもないこと」というのも、日常にたくさん転がってる。
たとえば警察の白バイもその一つだ。
ふだん日本の道路を走行していると、白バイとそれを運転する白バイ隊員の姿を見かけることは珍しくない。
ただ、それがもし赤色灯を点灯させサイレンを鳴らしながら猛スピードで走っていると、交通違反をしていないとしてもちょっとドキッとしてしまうのではないだろうか。
ともかく白バイ隊員といえば、その卓越したライディング技術を身につけるためにとても厳しい訓練をくぐり抜けてきた人たちというイメージがある。
このようなイメージは私たち日本人にもあるが、警察事情の違う外国人の目から見るとまた一つ違ったふうに映るものなのだ。
中国人の反応
その例が、先年、中国メディアが紹介した日本の警察の白バイ運転技術コンテストの動画記事に対する一般の中国人の反響だ。
この動画は茨城県で2016年に開催された全国白バイ安全運転競技大会の一部だが、そこには現役の白バイ隊員たちがバランス走行操縦競技で互いに腕を競い合っている姿が映されている。
具体的には、コーンで仕切られたコース上をゼッケンを胸につけた選手たちが急発進や急展開、ジグザグ走行などを繰り広げるという内容だ。
また、運転技術を披露する選手たちだけでなく、コースの外で厳しく選手たちの技術をチェックしている審判たちの姿も見える。
ときどきバランスを崩す選手もいるが、基本的に皆非常に正確な技術で、人馬一体ならぬ「人車一体」を体現している印象を受けるはずだ。
この動画を見た中国人のなかにも同じような反応をしている人は少なくないが、なかには日本人とは視点が違うと感じられる反応もある。
「中国の警察も学ぶべき素晴らしい技術」といった賛辞だけでなく、日本製のバイクへの賞賛の声が特に多いのだ。
「心地よいエンジン音」「きれいな音」「ホンダのバイクは美しいとしか言いようのないような音を出す」など、エンジン音に対する感想が多く見られた。
日本製のバイクと比べて、「中国メーカーのバイクはまだまだだ」と悲観するユーザーもいるほどだった。
一方で、運転技術やバイク以外についての感想もあった。
「交通違反を取り締まるだけの警察官にこんな運転技術は必要ない」や「良い警官とは運転技術のある警官ではなく、違反切符を切らない警官だ」といったものだ。
日本でも交通違反の取り締まりはノルマのためと批判されることがあるが、中国ではその傾向がさらに強いことが一部の反応から窺える。